トラブルの事例紹介です。
これを教訓にトラブル撲滅を目指しています。
今回のトラブルはこちら
「windows updateが失敗し、累積更新プログラムでエラー0x80080008が発生」
システム構成/処理シーケンス
- クライアント端末からwindows update を実行
- WSUS(ダブルサス)から最新の修正パッチがクライアント端末にダウンロード
- クライアント端末で更新プログラムを適用
トラブル内容
1.実行後、クライアント端末の画面では「更新に失敗しました。いくつかの更新プログラムのインストールに問題がありましたが後で再試行します」エラー0x80080008が表示されました。windows update失敗の発生です。
直接原因
2.までは正常終了し、3.実行中に上記エラーが発生
Cドライブの空きディスク容量に、更新プログラムをインストールするだけの空き容量が足りていなかった。
詳細解析
今回の更新プログラムは「KB5011495」
この更新プログラム適用に、具体的にどの程度の空きディスクが必要だったのか厳密に示すことは難しいものの、Cドライブに6GB程度の空き容量が必要だった
対策
Cドライブに存在している不要ファイル削除実施後、1.windows updateの再実施
ダウンロードフォルダ、マイドキュメントフォルダに存在する不要なファイルの削除、もしくはDドライブなどシステム容量と別のドライブへ移動するなどすることでディスクの空き容量を確保するようにする。
背景/標準化
セキュリティ対策の厳しいシステムにおけるクライアント端末のトラブルです。解析、対策難易度も低いトラブルを紹介したのは、この件に関する問い合わせが非常に多いという理由があります。FAQやよくあるトラブルに掲載しているものの、ユーザーはそんなもの参照せず、サポートへ問い合わせしてくるケースがほとんどです。
クライアント端末には、最新の更新プログラム適用済かを判断するツールがインストールされており定期的にチェックされていました。こういったクライアント端末がひとたびこのようなトラブルに見舞われると、インターネット接続はもちろん、outlookメール、teams利用なども利用が制限される可能性があり、ユーザー業務が滞ることから即サポートへの問い合わせにつながります。ユーザーのITスキル、運用状況を勘案しながら、必要に応じてディスク容量不足を通知するツール、ファイルの自動削除ツール(対象フォルダやタイミングなど事前にユーザーと合意が必要)の導入を検討すると良いでしょう。
追加情報として、本トラブルが発生するとwindowsアップデートを再実行しても失敗するケースが報告されています。
その場合は「MicrosoftUpdate カタログ」から所定のパッチをダウンロードして適用します。システムによっては、クライアント端末へ更新プログラムが適用されていない場合でも、「MicrosoftUpdate カタログ」へのアクセスが許可されているケースがあります。
余談ですが「累積更新プログラムでエラー0x80080008」は、インストール対象ディスクの空き容量の不足だけが原因で発生するわけではありません。今回紹介した対応で解決しない場合は保守サポートへ解析依頼をするなどの対応を検討ください。
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