【技術解説】~エージェントレス監視~エージェントは不要だがマネージャーは必要

テクノロジー

今回は、複数あるシステム監視方法のうちエージェントレス監視について解説したいと思います。
最初にお伝えしておきたいことがあります。それは、エージェントレスだからといって監視製品が一切不要だというわけではありません。ネーミングの響きから監視製品を導入せず監視が可能だと誤解している人が一定数おりますが監視製品は必要となります。では、なぜエージェントレス監視が必要なのか、特徴を踏まえて解説したいと思います。

エージェントレス監視の概要およびその他の監視方法、システム監視の基本はこちらの記事で解説しています。

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エージェントレス監視

エージェントレス監視とは、エージェントレス監視機能を持つ監視マネージャから、ネットワークを介したリモート接続で監視対象サーバの挙動を監視するシステム監視方式です。システム監視サーバーに監視マネージャを導入し、監視対象サーバーとネットワーク接続することにより監視を監視マネージャが行うものです。具体的には監視マネージャがSSH経由などで監視対象サーバーにコマンドを発行し監視を実現します。製品にも依存しますが、一般的に監視できる項目はエージェント監視と同等で、リソース情報の蓄積も可能です。エージェントレス監視製品で有名なものには以下のものがあります。

エージェントレス監視の特徴

エージェントレス監視の特徴は大きく次の2点です。

  1. 監視エージェント導入のライセンスコストを抑えることができる
  2. システム監視サーバーやネットワークが停止していると監視が行えない 
  3. エージェント監視と比較して監視可能なメトリックスがかなり制限される

1.のコスト抑制は分かりやすいと思いますが、2.3.にある監視エージェント監視と同レベルの監視ができないことから、サーバーの重要度でエージェントレス監視を採用するかどうかの判断が必要となります。24時間356日稼働を求められるシステムのweb/apサーバーなどで採用することは難しいでしょう。一方、限られたユーザーしか利用しないバックオフィス系サーバーなど利用頻度が低く、システム停止が許容可能なサーバーなどは適していると言えます。採用する製品によっても、エージェントレスで何が可能可能なのか千差万別なので、各種製品機能を比較し検討するべきでしょう。

エージェントレス監視の構成例

エージェントレス監視はシステム監視サーバに導入されたエージェントレス監視機能で構成されます。監視対象サーバ側には特にソフトウェアなどは導入しません。解説したとおりエージェント監視とリソース情報蓄積監視をリモートでシステム監視サーバに担当させる構成です。30秒や1分に1回など、定期的にシステム監視サーバが監視対象サーバを監視します。監視状況は、PCなどの監視端末からwebブラウザ経由(または専用のクライアントソフト)で確認するのが一般的です。

まとめ

通常、エージェントレス監視だけのシステム監視はありません。死活監視、エージェント監視、エージェントレス監視をサーバーの役割、重要度、コストに応じて使い分けています。監視可能なメトリックスもそれぞれで異なるため、設計工程で「このシステムでは何を監視したいのか」検討することがもっとも重要となります。

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